総合情報センタ:マルチメディア・eラーニング部門--eラーニンググループ(旧:eラーニング研究実践センター(CeRA))の設立


本学は大学創設の趣旨「実践的技術者の養成」に基づき,高等専門学校卒業生を 3年次に受け入れ,大学院修士課程までの一貫教育を実施しています. このため本学入学前の高等専門学校在学生に対する支援として, 出前授業などのほか,電子教材による基礎教科のレベルアップ, eラーニング配信による学習機会の拡充を図ってきました.

本学でのIT活用教育を推進するため,平成15年にeラーニング 研究実践センター(CeRA) が新設されました(ppt12,13). 本センターにおいては,情報通信の先端技術を活用した新 しい教育システム・教育方法の開発,eラーニングに適したシステム・コンテンツの研究 開発を行うとともに,その成果を遠隔授業の実践に適用することにより我が国の教育・研 究の高度化,多様化に資することを目的としています.本センターでは,産学連携体制を とっており本学専任教員の「eラーニング・システム研究開発部門」と,株式会社新潟放 送,株式会社BSNアイネット両社の支援による寄附研究部門「eラーニング・コンテンツ 研究開発(BSNグループ)部門」の2部門で構成されます.

eラーニング・システム研究開発部門では主に,①eラーニングモデルの研究・開発,② eラーニングのプラットフォームシステムの設計・開発・構築,③eラーニングに関わる全 体システムの評価とフィードバックなど,主としてeラーニングの方法論及びシステムの 研究開発を行っています.一方,eラーニング・コンテンツ研究開発(BSNグループ)部 門では,①eラーニング教材作成の方法論の研究・開発,②eラーニング教材の作成ツール (撮影,編集,構成,システム化)など,主としてeラーニング教材の作成法に関する研究開発を行っています(客員教授1名,客員助教授1名,客員助手1名).

 eラーニング研究実践センターは,上記のeHELP,現代GPに加え, eラーニングに関する教育の質保証に関するプロジェクト (大学改革推進委託事業:ppt14-19)など全学的な事業の推進・運営と併行して, eラーニング共通基盤システムの提供,個別のeラーニングコンテンツの開発支援, オーサリングツールの提供,学内でのeラーニング利用普及活動などを 実践しています(ppt20-28).

eラーニングシステムを構築するに当たっては, 国際標準SCORM(Sharable Content Object Reference Model)2004に準拠した 国産のオープンソースLMSであるOpenSourceLMSを活用しています. これによりコンテンツ流通が容易となり,異なるLMS間でのコンテンツ 共用化が促進されます.本LMSを基盤として,高等教育対応の不足機能について, 本学独自の機能拡張を図っています.拡張機能項目は以下のとおりです.

  1. 学習履歴・アンケート機能
  2. 掲示板機能
  3. 学習サポート機能
  4. レポート提出機能
  5. SCORM2004パッケージングツール
  6. 映像・音声オーサリングツール

上記(1)の学習履歴・アンケート機能は学習プロセスの問題点検出と ファカルティディベロップメント(FD)に役立てるこができ, コンテンツの品質向上が可能となります.このために,本LMSでは, 受講時間の履歴に加えて,異常値の検出とグラフ表示を可能としています.

(2)の掲示板については,シミュレーション機能,投稿記事フィルタリ ング機能を具備しています.

(3)の学習サポート機能は,学習進捗の促進と脱落予防を支援するための 自動起動型のメンタリングを実現するものです. 設定条件に応じて受講生に対する激励メールの送信とその結果確認を LMS画面で行います.このため,初回アクセスの有無,完了状態,学習時間, 前回閲覧からの経過時間などを契機としてメール送信を自動起動できます. また,学習者がメールに気づき,確認をしてから学習を開始するように ログイン時にメール確認画面を表示してチェックを記入させる仕様となっ ています.

(4)のレポーティング機能は,既存のLMSには装備されていないため, 機能追加を行いました.課題提示機能と,当該課題に対する学習者から のレポート提出機能を有し,さらに他のレポートとの類似度を検出する 機能を実装しています.類似度検出には単語単位(形態素解析の適用を 選択可能)または文単位での比較評価により解析を行います. 比較結果の表示は類似部分の明示と関連性のグラフ表示が可能となっています.

(5),(6)のツールは,既存コンテンツのSCORM2004規格への変換, あるいは新規コンテンツ開発時の編集効率化を図るものであり, 現在の本学の配信コンテンツはこれらのツールを用いてパッケージ化を 行っています.