長岡技術科学大学
   
 

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北島宗雄(2002)

北島宗雄. (2002). 感性の数理モデル. 新デザインハンドブック, 第3部「デザイン科学の方法」第3章「デザインの感性科学」. 朝倉書店.

 

感性の数理モデル

「感性指向製品」と呼ばれる製品群がある.衣服 や宝飾品などのいわゆる流行商品がそれであり,製 品の評価は,印象や好みによって行われる.このよ うな製品をデザインする場合には,デザインされる 製品に関するデザイナーの視点からの感性的評価と, その製品に対するユーザの視点からの感性的評価と が一致するようにデザインすることが理想である (図1 右側). しかしながら,必ずしもそれが最初から達成でき るわけではない.すなわち,デザイナーがデザイン コンセプトを表現するものとして作成した製品から, ユーザはそれとは異なったデザインコンセプトを引 き出すことがある.ここに,デザイナーとユーザの 間に感性的評価のギャップが生まれることになる (図1 左側).このような場合,デザイナーは再デザ インを行ってこのギャップを解消する必要がある. このような感性的評価のギャップをシステマティ ックなしかたで解消する方法のひとつとして,デザ イナーとユーザの感性の数理モデルを構成して,そ れに基づいてデザイン支援環境を構築する方法があ る.以下に,それについて紹介する.

 

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