長岡技術科学大学
   
 

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北島宗雄, 高木英明, 山本哲生, 張勇兵 (2002)

北島宗雄, 高木英明, 山本哲生, 張勇兵. (2002). 潜在意味解析(LSA)を利用したMarkov連鎖モデルによる階層メニュー探索過程の評価. 情報処理学会論文誌, 43, 12, 3722-3732.

 

潜在意味解析(LSA)を利用したMarkov連鎖モデルによる階層メニュー探索過程の評価

コンピュータを利用してタスクを遂行するとき, メニューやリストのなかから目的とする項目を探し出すことが必要になることが多い. 例えば, ワープロや表計算アプリケーションでは, 階層メニューから適切なコマンドを選択してダイアログボックスを表示させ,文書や表の属性を編集する. WWWのなかから求めている情報を探し出す場合には, サーチエンジンが提示する候補のなかから最適なものを選択して候補ページを表示させ, タスクに関連しそうなハイパーリンクを次々と選択する. 本論文では, このような項目選択タスクを,ユーザの項目選択過程の認知モデルに基づいて, (1) 項目選択をタスクとの適合度に基づいて行う, (2) 次の選択を行うときにそれまでに行ってきた項目選択の履歴を様々な仕方で考慮する, (3) ある時点で選択可能な項目の中に適当なものがなければ後戻りする, (4) タスクを達成できずに諦める, という4要素によって特徴づけられるタスクとしてとらえ, その過程をMarkov連鎖を用いてモデル化する. タスク目標が達成される確率, 及び達成に至るまでの平均選択回数を算出し, それに基づいて, 階層メニューやウェブサイトのリンク構造を評価する方法を提案する.

 

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