長岡技術科学大学
   
 

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北島宗雄 (2016)

北島宗雄. (2016). 二重過程統一脳理論による行動理解:教育・学習データへの適用. 情報処理学会教育学習支援情報システム研究会論文集, Vol.2016-CLE-19, No.11, 1-4.

 

人間は,環境(外部と内部)から情報を取り入れ,処理し,環境に働きかけるということを,生きている間,絶え間なく繰り返している. その結果として外部から観測されるのが,「行動」である.人間の行動を理解することは,情報が入力されてから出力されるまでの流れを理解することに他ならない. 情報の流れの制御は主として脳によって行われる.情報の流れの結果は,ニューラルネットの結合の仕方に影響し,記憶として蓄積される. そして,入力された情報によって記憶の一部が活性化し行動の仕方に影響を及ぼす.時間の矢は一方向にしか進まないので,行動・記憶のサイクルは,個人個人に固有の時間発展をする. ただし,情報処理の仕方にはさまざまな強い制約がかかるので,全く自由に時間発展をするというわけではない.特に,無意識・自動的な情報処理と,意識・計画的な情報処理が,情報の流れを大きく制約する. 無意識処理・意識処理を,過ぎ去った出来事に対して行う,あるいは,これから起こることにないして行う,というプロセスが,どのように実行されるのかが, 行動・記憶サイクルの動き方に大きな影響を及ぼす.教育・学習という行動のモードでは,入力される情報に操作が行われ,出力される情報は教育・学習の効果を計ることを目的として処理される. 本講演では,人の一般行動の理由を説明することができる,我々が構築した意識・無意識過程を基盤に据えた並列分散処理方式の統一脳理論について概説し, 教育・学習という行動モードで収集されるデータを分析する場合に留意すべき事項を示す.

 

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