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LICAIモデル

The LInked model of Comprehension-based
Action planning and Instruction taking


LICAI Model


 LICAIモデルはテキスト形式で与えられる課題をデバイスの上で実行するユーザの認知過程のモデルです 。 課題には、正しい操作順序が記述されていないと仮定しています。 LICAIモデルのインストラクション理解過程とアクション選択過程は、 Kintschの文章理解のモデル(構成・統合理論;the construction-integration theory)に基づいています。 LICAIモデルは、インストラクションを理解し、その結果として得られるゴールをエピソード記憶に格納します。 ゴールは、ディスプレイ情報が得られたときにエピソード記憶から呼び出され、 アクション選択過程における操作対象の選択と、操作自身の選択をガイドします。

 LICAIモデルのインストラクション理解過程では、 引き続いて行われるアクション選択過程で有用なゴールを生成するという目的に基づいたテキスト理解がなされると仮定しています。 LICAIモデルによれば、このような状況のもとでは、インストラクション理解過程で生成され、 アクション選択時に選ばれるゴールの表現と、そのステップで操作すべき対象の表現とが合致している場合にのみ、 正しい操作が実行されることが示されます。 このことから、 インストラクションの設計と、インタフェースの設計に関し、重要な示唆が得られます。

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