-- 山崎博,北島宗雄,熊田孝恒 & 小木元(2004)山崎博,北島宗雄,熊田孝恒 & 小木元. (2004). 駅における高齢者のユーザビリティに関する研究. ヒューマンインタフェースシンポジウム. 371-374
駅における高齢者のユーザビリティに関する研究現在、急激な高齢社会の到来により高齢者人口(65 歳 以上)が増加し、逆に少子化による年少人口と生産年齢 人口(15〜64 歳)が減少するという人口構成の大きな変 化が進行している。こうした社会環境の変化に対し、交 通バリアフリー法や介護年金制度が制定されるなど、社 会全体で高齢者への対応が進んでいる。 JR 東日本の駅に関しても、交通バリアフリー法等を踏 まえてエレベーター、エスカレーターの整備による垂直 移動抵抗の軽減、駅案内サイン等の整備によるわかりや すい情報提供、ホーム段差解消、誘導・警告ブロック等 の整備によるホームの安全対策などによるバリアフリー 化に取り組んでいる。 しかし、こうした取り組みは個別対応的には有効であ るが、ユーザの一連の行動を考慮した縦断的な対応は難 しい。駅利用において、駅をトータルなシステムとして より使いやすいものにするためには、ユーザの行動特性 を理解し、ユーザの特性に適合した駅のデザインを行う ことが必要である。特に、高齢者においては、認知的加 齢の影響により、若年層、壮年層とは異なった行動パタ ーンを示す可能性があり、彼ら固有のユーザビリティ問 題を生じている可能性がある。そこで本研究では、駅に おける高齢者のユーザビリティ問題の本質的な原因を解 明するため、バリアフリーのような身体運動的特性では なく、人間がどんなことを考えてどのように行動するの かといった認知的特性に着目し調査を行った。今回の調 査では、駅におけるユーザ利用シーンのなかでも代表的 な移動行動を対象として調査を行い、認知的加齢の観点 からその行動特性を分析し考察した。 Research on the usability for the elderly in stationsThis research is to try to bring a new approach in the understanding of the difficulty in the use of railway stations for the aged, by focusing on the cognitive function that influences their behavior. In concrete, this is to analyze the essential cause of the difficulty by comprehending the characteristics of their behavior from the domain of cognitive function. This paper shows obvious linkages between the decline of cognitive function according to aging and the difficulty in using the station, through a behavioral test of moving passengers that realizes one of the common situations in the railway station.
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