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北島宗雄(2005)
北島宗雄. (2005).
人間の認知行動モデルに基づくユーザビリティ評価.
産業科学システムズ主催セミナー、2005.9.13-9.14.
関連セミナー:ISSセミナー2006
人間の認知行動モデルに基づくユーザビリティ評価
私たちの日常活動の多くの部分は製品や環境との情報のやり取りを行うことで成立して
いる。あることを行おうとする。そのとき、何を行うのが適切かという判断は、外界から
得られる情報を許容される時間内で処理して目的との適合度を考慮して、なされる。行お
うとすることと環境から与えられる情報がぴたりと合えば、問題なくスムーズに目的を達
成することができる。そうでない場合には、代替手段を探す。あるいは、目的達成を放棄
する。このような事態は、製品や環境をデザインし世に出すことに関わるものにとっては
ぜひとも避けたい事態である。
本講習では、製品・環境における人間の認知行動をモデル化し、それに基づいて、人間
活動と製品・環境の適合度を評価するユーザビリティ評価法について、概略を説明する。
そして、真に使いやすい機器や移動環境をデザインすることを目指した最先端の事例を紹
介する。
プログラム
1. 人間の認知行動モデルの基礎
A) 機器利用過程の分類
B) モデルヒューマンプロセッサ
C) アクションサイクルモデル
2. 経験則
A) Fittsの法則(ポインティングに要する時間)
B) Fittsの法則のインタフェースデザインへの応用
C) Hickの法則(項目選択に要する時間)
D) Hickの法則のインタフェースデザインへの応用
3. エキスパートの認知モデル
A) GPS(一般問題解決器)
B) ルーチンエキスパート
C) 適応エキスパート
4. GOMSモデル:ルーチン的なタスクを実行するユーザのモデル(操作時間の予測)
A) CMN-GOMSモデル
B) NGOMSLモデル
C) キーストロークレベルモデル
D) CPM-GOMSモデル
5. GOMSモデルの応用事例の紹介
A) デジタル地図作成システムの入力インタフェースのキーストロークレベルモデルによる評価と改善
B) テレフォンオペレータのワークステーションのCPM-GOMSモデルによる評価
6. はじめてタスクを実行するユーザのモデル
A) 探査学習のモデル
B) 認知ウォークスルーによるユーザビリティ評価(正しい操作を発見できるか)
C) ウェブサイトのユーザビリティ評価(探している情報を見つけられるか)
D) 演習:初心者ユーザにとって難しい操作の原因分析
7. メンタルモデルとユーザビリティ評価
A) ユーザのメンタルモデル
B) メンタルモデルを考慮したユーザビリティ評価
8. 最先端のユーザビリティ評価
A) カーナビのユーザビリティ評価(目的地設定ができるか)
B) 高齢者を対象とした駅のユーザビリティ評価(駅構内の目的地にたどり着けるか)
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